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第2章 歴史を学ぶ
第1節 高度成長期と過剰自意識
高度成長時代の終焉期に「まちづくり」やら「人づくり」を掲げ、国のあり
方や社会観に関わる議論や指導者養成意識を持ち始めたことが政治の道への足
掛かりであった。特に深い論拠もなく、ポピュリズムに流され社会や将来を憂
いたり批判をしたりすることに自己陶酔をしていたようだ。そこには、結果よ
りプロセスを重んじ活動を美化してきた現実がある。
仲間たちの中には、人生の成功者としての地位を物理的に求める事とし、
邁進していった者も多い。自分は、この世に生を受けたことに対しての因
果とその結果を原理的に考える道を選んだようだ。人類が誕生をして250万
年、国の形を成し始めて2700年。私たちは、瞬時の空間を過大評価していな
いだろうか。
第2節 近代史に見る
幕末から明治維新と国の統治機構は大きく転換した。伝承によって受け継が
れた指導者による政治から、意志を持った政治家による統治へと。
西郷隆盛の合従連衡の話から始まる。西郷は、様々な主張を持つ各藩主と有力
志士たちを勤王という観点だけでまとめあげて、それと佐幕との対決という構
図にもっていって明治維新を成功させた。
もちろん、戦術的には多くの間違いと多くの犠牲があったが、近代国家にな
るための政治体制の変革をなしとげたといえる。
それに対して、昭和に入ってからの日本の政治、軍部、行政は、細かく主義
主張がかわれ、合意形成がはかれていなかった。結局天皇陛下に従うといいつ
つ、誰も責任をとらない体制になってしまったと考える。
今の政治・行政の状況は、この主義主張が些末な観点から分裂している昭和
初期の状況に似ている。そしてこの結果は、一貫した政策をもたずに低迷・混
迷をつづけている。
自分は、地方行政に携わり10年の時を経た。ひとりひとりが、行政、政
治、民間の立場で、日本の安定と発展のために地道に動く、そして地道な活動
をお互いに理解するという愚直な思想が求められていると考え始めた。また、
その為のイニシアチブの強化必要性も感じている。
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